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ものづくりへのこだわり

COMMITTED TO QUALITY

伝統的製法“塩焼き”

“塩焼き”とは、しっくいに使われる左官用消石灰に必要不可欠な工程です。生産効率を重視した焼成炉が主流の現在、それでもなお昔ながらの製法にこだわり、塩焼きは続いています。

“塩焼き”を行う
数少ないメーカー

技術の進歩は日進月歩。石灰の焼成技術もこの50年余りで大きく変化しました。重油を用いた生産効率を重視した焼成炉が主流となっている現在、伝統的な塩焼きを行っているメーカーは日本でも数社しかなく、当社ではその製法を安政元年の創業時から変わらず継続しています。

“塩焼き”の様々なメリット

塩焼きを行うことで、生石灰の結晶が成長し大きな粒子になります。それにより割れにくく、白色度の高い、かつ滑らかな、質の高いしっくいが得られます。

1

割れにくい

海辺に広がる砂浜は、干上がってもひび割れすることはありません。これは砂の粒子一つ一つが大きく、乾燥収縮に強いことに起因します。
さて、しっくいの場合はどうでしょうか?

塩焼きで得られた消石灰は粒径が大きく、しっくいへの加水量を少なくすることができます。結果として乾燥収縮を抑え、割れにくい壁を仕上げることができます。

塩焼き消石灰

2

高白度

塩焼きの際、投入した塩は石灰石中に含まれる不純物、特に鉄分と反応し、塩化鉄となって揮発します。不純物が除去された事で、より高白度のしっくい壁になります。

3

塗りやすい

左官職人にとって、材料の選定がその仕上りに及ぼす影響は決して少なくありません。塩焼き消石灰の粒子は大きいので粒子間の空隙も大きく、嵩高になるため塗り付け時の作業性が向上します。

※さらに滑らかに塗り付けられるよう、しっくいには昔から海藻糊
 
が使用されています。

4

身体に優しい

しっくいは昔、化粧材と謂れる高級建材でした。現代のように接着効果の高い樹脂などが存在しない当時の人々は、知恵を絞って亀裂防止のために消石灰に麻スサを入れており、それは今なお続いています。しっくいは自然の素材のみでつくられている、身体に優しい材料なのです。

麻スサ

震災による旧土中炉の崩壊

2011年の東日本大震災の後、水脈の変化が起こり、地下水が石垣を押し出し、生石灰と反応したことで土中炉が崩壊してしまい、長年塩焼きを行ってきた土中炉を失いました。

鋼鉄製の塩焼き炉を新設

前述のように、塩焼き炉は生産効率の良い設備とは言えませんが、塩焼きを行う数少ないメーカーの一社として供給責任を果たすため、鋼鉄製の新炉を建設しました。

「供給する」という使命を果たす

昭和の頃、石灰メーカーの間で効率の悪い土中炉から近代焼成炉に切り替えていくという時代の流れがありました。左官用消石灰を製造してきた当社では辛うじて残っていたのですが、それが失われた時、供給できないのではお客様も困るし、私達も創業来行ってきた事業が途切れてしまうことに対して強い抵抗がありました。投資に見合う利益が望めるか計算していては出来ないことは確かで、ポリシーとして作った面があります。これからも左官の仕事が全国で活発に展開され、それぞれの地区に根付いていくよう、継続的に使って欲しいという願いを込めたのです。

ものづくりに対する高い意識

官用消石灰の製造現場を一例に挙げても、大勢のスタッフがそれぞれの持ち場で活躍し、品質を支えています。私達自身の意識改革がまず必要ですし、今後は当社の工場を積極的にご見学いただき、ものづくりの価値をお客様とも共有していければと願っております。

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